あらすじ
世界は数字で正しく証明出来る。情緒はバグだ。
千都世(ちとせ)は過去のトラウマと周囲の冷たい視線のせいで、「未定義」の存在として生きている。同級生に合わせて流行りの音楽を聴き、最新のコスメを買い、「普通の女の子」に擬態する日々。しかしその内面では、誰よりも泥臭い古臭いハードロックを愛していた。
変わった趣味を持ち、普通のぼんやりした顔を持つ彼女を、何故男達は狂おしいほどに奪い合うのか。そして千都世は何故、彼らを傷付け、壊してしまうのか。
「普通になれない」という彼女の苦悩を、一体誰が理解してくれるのか――。
――16年後。完璧に計算され、配線された部屋で、彼女は「清水亮太」という見知らぬ男に幽閉されている。
因果律が壊れていく、じっとりとした理系サスペンス。