あらすじ
名前のない村に生まれた少女ソラは、長老に笑われた日から、王になることだけを考えて生きてきた。
転生した2度目の人生でも、その重さは消えなかった。魔法の才能もない。血統もない。あるのは、観察する目と、書類を作る手と、何があっても止まらない意志だけ。
王宮の下働きから這い上がり、側近になり、女王の信頼を得て——そしてソラは、誰も笑えない場所まで辿り着いた。
でも玉座は、思っていたものと違った。
幼馴染は村を出た。母は石を投げられた。10年以上隣にいた側近は、静かに去った。書類で踏みつぶした者たちの顔が、書類には出てこない。
英雄の話ではない。
救済の話でもない。
王になることの代償を、泥の匂いとともに描く、異世界転生物語。