あらすじ
地下墓地で目覚めた少年レインには、記憶がなかった。
残されていたのは、自分の名前と、“死者の記憶を読む”異能だけ。
人が死ぬと、その感情と記憶は《残響》として世界に残る。
レインは残響を読み、他人の経験や技術を吸収できた。だがその力は、死者たちの人格までも自身へ流し込んでいく危険な能力だった。
没落貴族の少女ミナ・ヴァルカと出会ったことで、レインは巨大な世界の裏側へ踏み込んでいく。
空に浮かぶ大陸。
祈りを燃料に動く国家。
神を名乗る宗教。
黒い霧に沈んだ旧文明。
そして、千年前に世界を滅ぼしかけた存在――《灰冠》。
やがてレインは知る。
自分自身が、その“再来”である可能性を。
これは、世界を救う物語ではない。
「自分が何者なのか」を知った時、なお人間でいられるのかを問う物語。