あらすじ
午前三時、線の繋がっていない黒電話が鳴る。
それは幽霊からの電話ではなかった。
警察にも、新聞にも、誰にも届かなかった通報が、何年も遅れて鳴っていた。
隣人の失踪をきっかけに、写真家のSetoは、東京の地下に沈んだ「ノクターン」という場所へ近づいていく。
一方、刑事の橘怜奈は、十年前に消えた妹の記録と、現在の失踪事件が同じ言葉で処理されていることに気づく。
事故。
家出。
錯乱。
事件性なし。
消された声は、午前三時にまた鳴る。
これは、死者を蘇らせる物語ではない。
記録されなかった声を、地上に戻す物語。