あらすじ
自分の短編が「単調」であることに悩む主人公は、AIから出された改善案「強弱差」「情報密度の波」「視点移動」を、本文ではなく世界そのものに適用してしまい、異世界へ転移する。
世界は極端な状態に陥る。村は情報を削りすぎて会話が成り立たず、王都は情報が濃すぎて意味不明な脚注の応酬となり、視点は暴走して主人公のアイデンティティまで崩壊しかける。その結果、最も暗く情報が密集していた「魔王城」が、コスト圧縮の対象として世界から消滅してしまった。
主人公は「単調寄りで固定」というコマンドで世界のバランスを元に戻すが、失われた魔王城は戻らない。現実に戻った主人公は、元の作品がランキングから欠番として消えていることを知る。
主人公は「単調でも帰ってこられる方がいい」と悟り、同じタイトルでバランスを取った新作を書き直す。世界は救われたが、その作品は二度とランキングに載ることはなかった。