あらすじ
「俺は子供の頃、寝取られることに憧れていた」
月明かりに照らされた縁側に座りながら、俺こと杉原学は隣に座る息子に、そんなことを話しかけていた。
「なんだよ、憧れていたって。寝取られなかったのか? 寝取られることを諦めたのかよ」
「ああ。相手にその気がないとね、寝取られるのは難しくなるんだ。そんなこと、もっと早くに気付いておくべきだった」
「ふーん、アホだな」
「ああ、アホだ。お前のお母さんはイチャラブ純愛派だった。クソッ! もっと早くに気付いていればお前が生まれることもなくこの有り余った金で他の女の子と付き合って寝取られることが出来たかもしれないのに……!」
「息子の前でそれ言う? 普通にクソ親父だな、アンタ」
息子が正論を言っていたが、俺としてはそれどころではない。
本当に後悔しても悔やみきれない。
燐子に襲われてさえいなければ、あるいは違うルートがあったかもしれないのに……。
そんな俺の自嘲を込めた笑みを見た息子が、何か意を決したように口を開く。
「そっか、じゃあ俺が代わりに寝取られてやるよ」
「え……」
なにを言い出すんだ突然。
俺の戸惑いをよそに、息子が続ける。
「俺、今彼女がいんだよ。メイド喫茶でバイトしてる子なんだけどさ。客の何人かが彼女を狙ってること知ってるから、上手くいけば寝取られることが出来るかもしれない」
「なん……だと……」
「へっ、任せとけって。親父の夢は、俺が……」
「おい待て巫山戯んな。なに羨ましすぎることほざいてんだコラ」
あまりにもクソボケなことを抜かす息子に、俺は待ったをかけていた。
タイトルそのままの内容です。