あらすじ
目が覚めると、そこは真っ暗な空間だった。
なぜか裸。
なのに、自分の体だけははっきり見える。
そして何よりおかしいのは――怖くないことだった。
どうやら僕は、「恐怖心」だけをどこかに置き忘れたまま、日本によく似た異世界へ放り込まれてしまったらしい。
この世界には、飛騨の国、愛知国、京都帝国、その他いろいろな国があった。
名前だけ聞けば、なんとなく日本っぽい。
でも、そこでは王が国を治め、英雄がいて、魔王までいる。
見慣れたようで、まるで知らない世界だった。
この世界には、僕以外にも九人の“僕”が存在する。
彼らはすべて、「真の僕」から生まれた分身。
それぞれが、「真の僕」の長所を極端に尖らせた存在らしい。
問題は、僕に割り振られた長所がかなり妙なものだったことだ。
恐怖心が無い。
危険を前にしても、無駄に冷静でいられる。
偉大な英雄に睨まれても、ひるまない。
そのせいで、周囲からは勝手に「あいつには何かある」と勘違いされてしまう。
しかも、その妙な「何かある感」は、なぜか女性たちにも刺さってしまうらしい。
モテるのはいいことだ。
いいことなのだが、嫉妬まで買ってしまうとなると話は別である。
完全アウェーの異世界で同性を敵に回すなど、考えただけで恐ろしい。
……恐怖心はないのだけれど。
僕は、「真の僕」が壊れるのを防ぐため、旅に出ることになった。
どうやら、魔王を倒せばいろいろうまくいくらしい。
九人の“僕”。
勘違いしてくる英雄たち。
なぜか距離を詰めてくる女性たち。
そして、倒すべき魔王。
真の僕を救うため、異世界を舞台にした少し変わった魔王退治の物語が始まる。
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【この先の流れ】
第1話〜第18話は、「半分異世界」の世界観をコメディ調で描いています。
第19話〜第30話は、ヒロインとの関係を中心に、ラブコメディ色が強くなります。
第31話以降は、主人公の適性をきっかけに、物語の核心が少しずつ動き出します。
基本的にはコメディ調で進みますが、少しずつ世界の謎や主人公の役割にも触れていく構成です。