あらすじ
インターネットから発掘された、ある個人サイトの全記録。
2026年、とある善良なネットユーザーによってひっそりと開設された『川柳ふれあい広場』。当初は「五・七・五の定型詩を通じて、ネットの片隅で温かい交流を育む」という、牧歌的な目的でスタートしたはずだった。
しかし、そこに集まったのは「まともな参加者」ではなかった。
交通違反の愚痴、職務中のリアルすぎる内情、児童相談所の生々しい裏話、ついには配信者への犯罪予告や身内の内部告発まで。
たった17音に凝縮された現代社会のバグとネットの吹き溜まりが、容赦なく投稿フォームに殺到し始める。
「応募して 集めた川柳 愚痴ばかり」
(第一回:主催者の投稿より)
回を重ねるごとに悪化していく治安。
無機質な定型詩が描き出す、どこかズレた人々の日常。
そして、徐々に川柳を通じて限界を発信し始める主催者と、それを代行する謎の人物たち。
本作は、第一回から「主催者が疲労で倒れて閉鎖」に至る幻の第五回まで、某ウェブアーカイブに奇跡的に残存していたログを編纂・復元したものである。
(※作中に登場する川柳はすべて当時のログの原文ママであり、一切の改変を行っておりません)