あらすじ

久住灯真は、数字よりも現象を見ることが好きな青年だった。 普通の働き方にも、研究室の常識にも馴染めなかった彼が始めたのは、没入型MMORPG『ワールドゲート・オルビス』。 そのゲームには、ステータスも、レベルも、クラスもなかった。 剣士も薬師も鍛冶師も、システムが決めるものではない。 何を見て、何を覚え、何を扱えるかで、周囲が勝手にそう呼ぶだけ。 多くのプレイヤーが不親切な仕様に戸惑う中、灯真は草の葉脈、鉱石の音、文字の配置、供物の返礼、炉の振動にのめり込んでいく。 やがて彼は、複数の接続先世界で学んだ技術体系を勝手に重ね合わせ、誰も想定していなかった現象を起こしてしまう。 ゲーム内で消えた青灰銅鉱の欠片が、現実の作業場の床に落ちていた。 最初に現実へ転移するのは、石と草だけ。 けれど、その石と草は現実世界に微量の魔素を残し、異世界由来物が現実に安定するための下地を作っていく。 灯真は依頼されて進むのではない。 世界を救おうとするのでもない。 ただ、分からないことを放っておけない。 これは、好奇心の止まらない天才検証勢が、複数世界の技術を勝手に混ぜ、境界複合技術で世界の方を追いつかせていく物語。

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小説を読もう2026/05/21
  • 現在の作品境界技師の観測録 〜見えるだけの俺、なぜか世界の呪いまで剥がしてしまう〜