あらすじ
十年前、北野結衣は最愛の姉・美玖を交通事故で失った。
しかしある雨の夜、結衣は街角で死んだはずの姉と同じ顔をした女を目撃する。
見間違いではない。
その横顔も、仕草も、声も、記憶の中の姉そのものだった。
手掛かりを追う結衣は、姉の遺品に残された古いメモリーカードを見つける。
そこに記録されていたのは、姉・美玖と、天才再生医療研究者・各務翔太の幸福な恋の日々。
そして、翔太の研究に対する美玖の小さな恐れだった。
一方、山奥の旧研究所では、ホムンクルスとして目覚めた女・ミクが、死んだ創造主・翔太を再生させるため、禁忌の研究を続けていた。
彼女は美玖なのか。
それとも、美玖の姿を与えられただけの別の命なのか。
愛は、死を越えられるのか。
死を越えた愛は、まだ愛と呼べるのか。
死者の姿をした花嫁と、姉を失った妹。
そして、死してなお愛に縛られた男。
これは、喪失と再生、愛と執着をめぐる、哀しく美しいゴシックSFミステリー。