あらすじ

大国・玲秀の存亡をかけ、過去へと還される(タイムリープ)少女。また新興国・蒼牙は覇権掌握のため、理を兵へと変える禁断の「兵棋計画」を進め、その中で生み出された戦棋士・玄凛は、未来から過去へと送り込まれ(タイムトラベル)、玲秀王の娘――やがて蒼牙に災いをもたらす存在となる少女の抹殺を命じられる。 だが彼が辿り着いた過去の玲秀は、敵国として教え込まれてきた姿とはまるで違っていた。穏やかな空、笑い合う人々、戦棋を楽しむ子どもたち。そこには“滅ぼすべき敵”の姿はなく、ただ守られるべき日常があった。任務と現実の乖離に、玄凛の心は次第に揺らいでいく。 一方、山奥の庵で老僧・寛蓮に育てられた少女・雫は、戦棋において異質な才を秘めていた。彼女の打つ一手は風を呼び、場の理を揺るがす。その無垢な才能はやがて人々の噂となり、「理を操る子」として広がっていく。だがその才は祝福であると同時に、国家に狙われる“徴”でもあった。 やがて明かされる真実――雫も玲秀の未来から過去に送り込まれた玲秀王の娘であり、記憶を失った存在。そして玄凛もまた、理に従うために作られた“兵”に過ぎなかった。二人はそれぞれの過去と使命に翻弄されながらも、未来とは逆の母国の立場で盤上で向き合うことで、自らの意志と向き合っていく。そしてもう一人、運命に抗おうとしている一人の少女、「無我」。 国家の理か、人の想いか。勝利のための一手か、誰かを想う一手か。戦棋という名の対話の中で、彼女らは問い続ける――理とは何のためにあるのか? やがて訪れる決戦。盤上で交わされる一手一手が、戦場を揺らし、世界の在り方を変えていく。その果てに辿り着くのは、「理は人を縛るものではなく、人が導くもの」という答えだった。 長き戦の終焉とともに、理は再び人の手へと還る。 戦棋と戦争、記憶と使命、そして人の心。これは、“理”に抗い、“理”を取り戻す者たちの物語である。

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小説を読もう2026/05/21
  • 現在の作品『戦棋アンダー・ザ・ムーン ―理を還す者―』"The Moonlit Strategist: The One Who Restores Reason"