あらすじ

これは大正ロマンの時代、セーラー服とピアノに導かれて、二人の少女が横浜山手で出会う物語。 そこで二人の少女は恋に落ち、二つの女の園と、時代の中で運命に翻弄されます。 ──エス、セーラー服、ピアノ、二つの女学校 この物語は「あるアマの物語 ─ 大正メイドストーリー」に登場する雪子を描いた前日譚です。当初はストーリーボード程度でしたが、やがて雪子が動きだし、伴侶を欲し、自分の物語を求めました。 本作品は独立した作品ですが、「あるアマの物語 ─ 大正メイドストーリー」では女学校を卒業後の雪子が描かれるのに対して、本作品では女学校時代の雪子が描かれ、相互に関連しています。 そしてこの物語はメイドストーリーでは描ききれない、「エス」がテーマの中心となりました。エス、と言うのは女学生同士が契りを交わし、特別な関係の姉妹となることです。今の百合の源流とも言えます。 大正メイドストーリーのメイド服に対応して、本作では時代の変化を象徴してセーラー服を描いています。 大正時代の女学生の制服といえば、ハイカラさんの女袴(スカートのような袴)が知られていますが、セーラー服は本作品が舞台としている大正十年頃から全国的に広まっていきました。それはアイコンとしてだけではなく、日本女性が洋装化する大きな要因となりました。 そしてメイドストーリーと同じく、これも横浜山手という当時の異世界を舞台にしています。 山手を散策している時に、ピアノ演奏会に遭遇したことが創作のヒントになりました。そのため作品を通じて音楽が一つのモチーフになっています。 そこで(あくまで空想の産物ですが)二つのミッション系女学校の、二人の女学生が偶然出会ってしまったら── 大正時代、セーラー服、横浜山手、そしてエス。二人が辿り着く先には、何が待っているのでしょうか。 大正という時代にしか生まれえなかった少女たちの物語が、こうして動き始めました。 お楽しみいただければ幸いです。 なお、文中の記述は歴史的に正しいように努めていますが、現代的な脚色が多々あります。また登場する人物や場所はあくまで空想の産物です。

連載情報

ウェブ小説

配信言語
カクヨム
カクヨム2026/05/21
  • 現在の作品あるエスの物語 ─ 大正女学生ストーリー・山手の百合