あらすじ
ゴールデンウィークにより活気づくこの町には、蒸気機関車と電気列車が融合した『煙灯鉄道』の列車が走っていることで有名だった。
煙灯鉄道で駅員をしている京架が忘れ物をしたことにより、弟である小学生の辰喜は最寄駅までという条件で届けにいくことに。
かつて駅員をしていた父が亡くなった影響で電車のことを毛嫌いしていた辰喜だったが、姉とすれ違いで列車に乗らないといけなってしまう。
列車が進んで行き駅に着くごとに、様々な人が乗り降りしていく。
東京の大学へ通って久しぶりに地元に帰ってきた女子学生、列車の中で寝過ごしたバイト生、転勤する夫と行く最後の家族旅行。
自然豊かな終点駅に向かうまでにも様々な人間ドラマがある。
そして渋々列車の中で揺られている辰喜にの周りではハプニングも起こり、それにより気持ちの変化があらわになっていく。
久しぶりの女子会に向かう女性たちや、変化を望む昔ながらのケーキ屋さん、そして大事件の発端となる男子高校生たちに、辰喜の心情に影響を与える少女。
各駅で乗り降りする登場人物たちの様子を一章ごとに視点を変えて描き、終点駅まで向かう物語。
最後、辰喜の視界には想像もしていなかった景色が広がっていた。