あらすじ
戦国時代。
真田信繁――後に「日本一の兵」と呼ばれる男は、まだ七歳の子供だった。
熱病に倒れ、生死の境を彷徨った幼き弁丸。
その闇の中で彼は、諏訪の古き神
建御名方神
の声を聞く。
――武田は滅ぶ。
――乱世は血に染まる。
――生き延びよ。
目覚めた弁丸の中には、前世の記憶と“未来”の知識が刻まれていた。
やがて訪れる 長篠の戦い。
そして、 天目山の戦い。
名門・武田家が滅びる未来を知ってしまった少年は悟る。
「このままでは、真田も飲み込まれる」
だが七歳の子供にできることは少ない。
戦場で戦う力も、家を動かす権力もない。
あるのは未来の知識だけ。
だから弁丸は決意する。
戦ではなく、“備え”で生き残ることを。
兵糧を蓄え、情報を集め、人を見極める。
父・ 真田昌幸 ですら気付かぬうちに、幼き真田は静かに乱世へ牙を研ぎ始める。
これは、天下統一を目指す物語ではない。
滅びゆく時代の中で、
家族と領民を守るために抗う、
“生存”の戦国記である。