あらすじ
「アリシア・ヴァルトハイム! 私は貴様との婚約を――」
その言葉を最後まで言わせると、私は必ず死ぬ。
王太子に婚約破棄され、悪役令嬢として断罪される運命を、私は100回繰り返してきた。
泣いても死んだ。
謝っても死んだ。
証拠を出しても死んだ。
逃げても死んだ。
味方を作っても、最後には必ず死んだ。
そして100回目で、ようやく気づく。
王太子の婚約破棄宣言そのものが、私を破滅させる古代契約儀式の起動キーなのだと。
だから101回目。
私は王太子が言い切る前に、その顎をグーパンで撃ち抜いた。
これは怒りではない。
復讐でもない。
100回分の失敗ログから導き出した、断罪イベント攻略の最短最適解である。
けれど、王子を黙らせただけでは終わらない。
断罪は、婚約破棄宣言だけで動くのではなかった。
筋力も魔力も引き継がれない。
残っているのは、記憶、知識、技術、そして100回分の死の記録だけ。
101回目の悪役令嬢は、もう泣かない。
もう弁明しない。
もう最後まで言わせない。
101回目は、ここから違う。