あらすじ
美しい公家の女・お種の凄絶な自害に由来し、高潔な魂を持つ者を次々と死へ誘う呪いの伝説「世忌花娘(よいまわしのはなむすめ)」。
没落華族の娘・北条美純。彼女は数々の凄惨な体験から、人間の愛や優しさを信じられなくなり、心を閉ざして屋敷の庭に引きこもり、外界を激しく拒絶して生きるようになる。
一方、大手印刷会社の御曹司・西郷優一は、幼い頃のトラウマから、強い罪悪感に囚われ罰を求めるあまり、他人に迎合し、「完璧な善人」を演じる虚無的な日々を送っていた。
正反対な二人は偶然にも出会い、惹かれあうも、その恋は、「世忌花娘」によって、更なる悲劇へと繋がる。
そして若き男女の悲恋に巻き込まれた、美純の母・伝恵と、優一の父・誠生の思い、そして決断とは。
「美しい者が死に、醜い者どもが蔓延る此岸は、地獄も同然である。」
お種の遺書の一文、もはやこれは、小説だけの出来事ではない。
戦争、テロ、殺人、汚職、イジメ、SNSでの炎上、この世には無数の「世忌花娘」に満ち溢れている。
あなたは美しく没落するか。
それとも開き直って醜くのさばるのか。
この本を開く読者に、私は問いたい。