あらすじ

荒れ果てた最深部、 黒く濁る世界の底。 誰も近づかぬ死地へ、 ひとり捨てられた少年がいた。 名はアルト。 剣は弱く、魔法も使えず、 背負うのは仲間の荷物ばかり。 浴びせられるのは感謝ではなく、 「無能」という冷たい言葉だけ。 ――だが。 積み上がった汚泥を見た瞬間、 彼の胸で何かが切れた。 「……散らかりすぎだろ」 それは怒り。 絶望より先に湧き上がった、 几帳面すぎる魂の叫び。 ひとつ拾う。 ひとつ磨く。 ひとつ整える。 すると止まっていた光が灯る。 死んだはずの遺跡が息を吹き返す。 濁った世界が、静かに脈動を始める。 誰も知らなかった。 彼の“整理整頓”こそが、 世界を支える神代の術だと。 仲間たちは失って初めて知る。 自分たちが見下していた少年こそ、 旅を、命を、未来を、 ずっと支えていたことを。 だがもう遅い。 彼はもう振り返らない。 罵声も、後悔も、懇願も、 埃を払うように置き去りにして。 世界の心臓部。 誰より居心地の良い静寂の中で、 今日も彼は箒を手に笑う。 「……やっぱり、片付いてると落ち着くな」

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小説を読もう2026/05/20
  • 現在の作品『Fランクの荷物持ち、最深部でヤケクソのお片付けを始めたら、なぜか世界が救われてしまった件 ~追放された先が「世界の心臓部」だったようです~』