あらすじ

卒業記念舞踏会の夜、王太子レオルドは婚約者リリアーナを人前で断罪した。 「地味で暗く、王妃に相応しくない」 五年間、ただ静かに傍に立ち続けた侯爵令嬢は、反論一つせず婚約破棄を受け入れ、故郷へ帰った。 ――だがその翌日から、王都が壊れ始める。 魔道具が動かなくなり、作物が育たず、原因不明の体調不良が広まる。 やがて宮廷魔術師が真実を突き止めた。 リリアーナは、数百年に一人しか生まれない"浄界の聖女"。 彼女がいた五年間、王都の結界は彼女の力によって守られていた。 誰も気づかないまま、ただの役立たずと呼ばれていた少女が、一人で国を支えていたのだ。 「すぐ連れ戻せ!」 王太子は青ざめて命じるが、当のリリアーナは辺境で薬草を摘み、子供たちに囲まれ、初めての笑顔を取り戻していた。 そして辺境を守る無骨な辺境伯アルヴェインだけが、誰より早く彼女の存在の価値に気づいていた。 「あなたはいったい、何者だ」 王太子が自ら辺境を訪れ、涙ながらに懇願する。 それでも彼女は静かに、しかしはっきりと告げる。 「もう遅いのです」 役立たずと切り捨てられた少女が、自分の居場所と、愛してくれる人を見つける物語。 国家崩壊の危機と、遅すぎた後悔と、揺るがない幸福の話。

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小説を読もう2026/05/20
  • 現在の作品婚約破棄されたので静かに田舎へ帰ったら、“災厄を鎮める最後の聖女”だったことが発覚しました ~今さら王太子が泣いても、もう遅いです~