あらすじ
染み抜きと草木染め――布地を一切傷めず、世界で最も美しい色を定着させるその技術で、子爵令嬢のリネアは、服飾商会の筆頭デザイナーとして指揮を執り、その利益で伯爵家三男の夫であるコンラッドの家の借金を返済し続けていた。
しかし、コンラッドはリネアを、金の湧き出す泉と見下し、彼女を「色気がない」と嗤って浮気を繰り返す。
今まで、どんな頑固な汚れも落としてきた。
借金、浮気、不始末……夫が作ってくる染みを必死に漂白し続けてきたリネアの心は、いつしか漂白されすぎて脆くボロボロになっていた
そして、ある日リネアは決意する。
もう、あなたの薄っぺらな色には染まらない。
離縁状を叩きつけ、実家の商会に戻ったリネアが出会ったのは、彼女の仕事の価値と知性を正当に見抜く公爵様だった。
そして、彼はリネアにある提案をする。
一方、リネアを失ったコンラッドは日常が崩壊していく中で、自分の愚かさに気づき始めるが、それはあまりにも遅く……。