あらすじ
「縁の腐り」が見える。
それが桐嶋澪(きりしまみお)の、産まれながらの呪いだった。
人と人とをつなぐ縁は、本来なら透明な糸のように澄んでいる。
でも嘘や悪意、憎しみや呪いに染まった縁は、腐った黒へと変色していく。
そして腐れ縁がひどくなると——縁を結ばれた人間が、壊れていく。
廃れた神社の家系に生まれ、その能力のせいで幼い頃から人の悪意が見えすぎてしまう澪は、なるべく人と関わらない地味な高校生活を送っていた。
見えないふりをして、知らないふりをして、ただ静かに卒業できればいい。そう思っていた。
でも、クラスメイトの縁が腐り始めた。
そして——澪の失踪した父親の名前が、その腐れ縁の中心に浮かんでいた。
「きみが気づいているのはわかってる。頼む、力を貸してくれないか」
クールで完璧な生徒会長・東堂律(とうどうりつ)が、初めてその仮面を崩して言った言葉に。
澪は、六年間守ってきた「見えないふり」を、やめることにした。
これは、腐れ縁を断ち切ることで自分の縁を取り戻していく、ひとりの少女の物語。