あらすじ
夕暮れの海に包まれた王都が、静かに崩れ落ちていく――。
白亜の城は炎に飲まれ、かつて栄華を誇った港町は一夜にして戦火に沈んだ。逃げ場のない回廊で絶望に立ち尽くす皇女セレナの前に現れたのは、血に濡れた夫・ジュリオだった。
「生きてください。それだけでいい」
最期の願いを託し、彼が残した選択の先で、セレナの運命は大きく揺らぎ始める。
炎の中、彼女を抱き上げて現れたのは、黒衣の騎士アレッシオ。
冷たい蒼い瞳を持つその男は、まるで最初からすべてを知っていたかのように、ただ一言告げる。
「見つけた」
救出か、それとも新たな檻か――。
滅びゆく王国を背に始まるのは、逃亡と再生の物語。
失った愛、選べなかった未来、そして抗えない運命の出会い。
これは、終焉の夜から始まる“ふたりの騎士”と“ひとりの皇女”の物語。