あらすじ
“読めるだけ”では、勝てなかった。
世界的人気競技《ギアバース》。
高速回転する金属製ギアをぶつけ合うこの競技は、
単なるホビーではない。
そこには、
•読み合い
•心理戦
•出力制御
•接触角度
•再現性
•メタゲーム
すべてが存在する。
そして頂点には、
“勝ち続ける怪物”だけが立てる。
⸻
かつて名門チーム《グランドクロス》に所属していた少年、
九条レン。
彼には特別な才能があった。
相手の
•指の力み
•重心
•呼吸
•視線
•リリース角度
から、
次の軌道を“読めてしまう”才能。
だがレンは、
“読めるだけ”だった。
理論は完璧。
だが身体が追いつかない。
全国トップ層のフィジカルと再現性の前に敗れ、
「理論屋」と嘲笑され、
チームを追放される。
それ以来、
レンは競技の世界から逃げていた。
――一人の少女に出会うまでは。
⸻
白鐘ヒナ。
超高出力の攻撃型ギアを操る、
地方最強クラスの天才少女。
だが彼女は、
“勝ち急ぐ”。
最短で当てたがる。
最速で決めたがる。
だから壊れる。
そんなヒナに、
レンは言う。
「強いだけじゃ、全国では勝てない」
最初は反発していたヒナだったが、
レンの“読む力”と理論に触れ、
少しずつ競技の本質へ近づいていく。
そして二人は、
全国への登竜門《東日本予選》へ挑むことになる。
⸻
だが全国には、
異常な怪物たちが待っていた。
■ ミスをしない解析型最強選手
《ゼロラグ》霧島アレン
■ レンを追放した元チームメイト
神崎レオ
■ 競技界を支配する超人気配信プロ
天城シオン
■ そして、
“勝ち方”そのものを知るトッププレイヤーたち。
⸻
これは、
“読めるだけ”だった少年が、
天才少女を頂点へ導く物語。
そして。
競技に壊された者たちが、
もう一度、
回転の世界へ戻っていく物語。