あらすじ
人の心が、“ノイズ”みたいに聞こえる。
識能(しきのう)――通称“異能”が存在する世界。
異能保持者を集めた特殊教育機関《歪門学園(わいもんがくえん)》で、白峰瑠美音(しらみね・るみね)は今日もひとり、旧校舎の屋上で目を閉じていた。
彼女の識能《否定(ノイズキャンセル)》は、発生した事象そのものを“一時的に無かったこと”にできる危険な力。
その代償として、瑠美音には他人の感情や本音が“ノイズ”として流れ込んでくる。
悪意。恐怖。孤独。執着。
うるさい世界の中で、唯一静かになれる存在がいた。
同級生・御影陽太(みかげ・ようた)。
識能《無響領域(サイレント)》を持つ彼の近くでは、瑠美音のノイズだけが不思議と消える。
けれど、平穏は長く続かない。
音を媒介に感情を暴走させる識能《共鳴(レゾナンス)》を持つ後輩・朝倉蓮(あさくら・れん)。
“異能は管理されるべき”と語る生徒会長・九条透(くじょう・とおる)。
そして、異能者を監視する国家組織《異能対策課》。
文化祭を目前にして、学園は少しずつ壊れ始める。
これは、壊れかけた少年少女たちが、“居場所”を求めて抗う物語。
――《放課後ノイズの終わらせ方》。
青春。
異能。
管理社会。
そして、静かに崩れていく恋の物語。