あらすじ
二〇〇四年、八月初旬。
愛媛県・石鎚山系の廃村「犬神村」。
一九八一年に四十七人の犠牲者を出した事件以来、
封印されていたその地で、再び異変が起きていた。
京都・大津家の一人娘、真琴。十七歳。
千年続く陰陽師の家系に生まれた彼女に、
政府筋から極秘の任務が下る。
「行ってくれ」と、父は言った。
「お役目、ですわね」と、真琴は答えた。
監督役は、大津家のお弟子・坂東英次。
元軍特殊部隊。四十代後半。
スーツ姿の、岩のような男。
──ふたりは、政府ヘリで愛媛へ向かう。
一方その頃、神宝町。
「気づかせ屋」を営む、佐藤士恩——
通称ジオン。二十八歳。
アロハシャツとサンダル、糸目で煙草を吹かす、
ふつうの観光客のような男のもとに、
大家の老人から、ひとつの依頼が舞い込んだ。
「儂の同級生の議員の、孫娘を救ってほしい」
──ジオンも、犬神村へ向かう。
千年の伝統を背負った少女と、
物差しで測れない、ふつう装う男。
ふたつのルートが、廃村で交錯する時——
そこには、四十七人の魂を呑み込んだ、
古い古い、祟り神が待っていた。
★お嬢様と気づかせ屋の伝奇ホラー。
★「燃えカスの守り人」シリーズ独立外伝。
★本編未読でも問題なくお楽しみいただけます。
★全11話+番外編1話、約13万字。