あらすじ
三百年続く華道宗家「篁」。
その若き次期家元が生ける花を、ひとりのカメラマンがレンズ越しに見つめていた。
凛と美しく、迷いのない所作。
けれど、その花の奥には、誰にも見せない孤独と重圧が沈んでいた。
華道とは無縁の世界で生きてきた椎名真白は、撮影を通して篁朔弥の抱えるものに触れていく。
住む世界の違い。
伝統を継ぐ者の覚悟。
次期家元の隣に立つという重さ。
三百年の花を背負う青年と、レンズ越しにその孤独を見つけた女性が、静かに、深く、互いを選び合う物語。
椎名 真白(しいな ましろ)
30歳。フリーランスのカメラマン。
被写体の奥に隠された感情を写し取る感性を持つ。
篁 朔弥(たかむら さくや)
27歳。三百年続く華道宗家「篁流」の次期家元。
静かで落ち着いた佇まいの奥に、孤独と重圧を抱えている。
※華道に関する専門的内容に相違がある場合もあると思いますが、あたたかい目で読んでいただければと思います。