あらすじ
伯爵家嫡女ヴィオレーヌは、卒業記念パーティの場で婚約者から突然の婚約破棄を言い渡される。しかも彼が選んだ“真実の愛”の相手は、健気な涙で周囲を味方につけた義妹だった。
だが、ヴィオレーヌは取り乱さない。
静かに婚約破棄を受け入れたその瞬間、彼女へ手を差し伸べたのは、公爵アルフォンス・ド・レーヴェ。彼はすでに、伯爵家が隠してきたある重大な歪みに気づいていた。
やがて明らかになるのは、義妹の身分詐称、学籍書類の偽装、そして本来ヴィオレーヌのものであるはずだった財産の流用。婚約を奪われただけでは終わらなかった。彼女は長いあいだ、家そのものから正しい立場を奪われ続けていたのだ。
公爵家の妻となったヴィオレーヌは、記録と事実を武器に、歪められた伯爵家を正しい形へ戻していく。
婚約を奪った義妹も、すべてを見て見ぬふりした父も、裏で糸を引いていた後妻も――もう二度と、彼女の席を奪うことはできない。
静かに、確実に、すべてを取り戻していく令嬢ざまあ恋愛譚。