あらすじ
事故のあと、相沢蓮は新しい記憶をうまく保てなくなった。
通院先の病院の売店で出会ったのは、月島澪という明るく距離感の近い女の子。
初対面のはずなのに、彼女は蓮の飲み物の好みを妙にわかっていて、軽口にも自然に乗ってくる。
本屋、公園、カフェ、美術館、海沿いの遊歩道。
澪と過ごす時間は不思議なくらい心地よく、蓮は少しずつ彼女に惹かれていく。
けれど、部屋の奥から見つかった黒いノートには、蓮の知らない過去が書かれていた。
月島澪の名前。
何度も訪れた場所。
何度も交わした会話。
そして、蓮が何度も彼女を好きになり、何度も忘れてきた記録。
これは、失った記憶を取り戻す物語ではない。
忘れ続ける少年と、忘れられ続けた少女が、最後の七日間でさよならを選ぶ物語。
好きだから、もう一度会う。
好きだから、もう探さない。