あらすじ
美しい真っ白な『幽霊のお城』の大きな城門はとても硬く閉ざされていた。どんなことをしても(叩いても、蹴っても、思いっきり押しても)開けることはできなかった。
「誰かいませんかー!」
大きな声でそう叫んでも、誰からも返事はなかった。(返事がないだけじゃなくて、どこにも、誰もいなかった。それはここが幽霊のお城で、今がまだ夜じゃないからだろうか)
しーはしょうがないなと言ったような顔をしてから、両手を腰につけて、大きな門の前に立ったままで、じっと閉ざされた城門を睨みつけるようにして見つめた。
世界にはとても冷たい風が吹いている。(寒くて、ぶるっと一度、しーはその体を震わせた)
見上げると、空は灰色をしていて、明るい太陽はどこにも見えなかった。(ここにきてからずっとそうだった。やっぱり幽霊は太陽がにがてなのかもしれない)
まいったな。幽霊のお城の中に閉じ込められちゃった。
……、幽霊。幽霊のお城か。
ただのうわさだけの嘘じゃなくて、本当にあったんだ。
しーは思う。(それからすこしだけ自分のために笑った)