あらすじ
魔王が討たれて、数年。
ようやく世界が手に入れた平穏の裏側で、その病は静かに根を張っていた。
――その名は「花病(かびょう)」。
一度侵されれば、皮膚から芽吹き、花が咲く。
そして、体に根を生やした幹は生命を奪い、大地へと還す。
魔法も祈りも、古き竜の炎も、エルフの叡智すらも届かない、不治の病。
それは、魔王が残した「呪い」として恐れられる一方、神の「祝福」とも呼ばれた。
幼い頃に両親を花病で失った少年。
そして今度は最愛の妹が病に侵されてしまう。
絶望の淵に立つ彼の前に現れたのは、悠久の時を生きる少女だった。
彼女の言葉をきっかけに、少年は「救い」を求めて旅に出る。
けれどその旅は、単なる「治療探し」では終わらない。
やがて彼は、旅で出会うそれぞれが「生きる意味」と向き合うことになる。
その先に待つのは、希望か、それともさらなる絶望か。
はたして、希望は咲くのか。