あらすじ
かつて、瀬名里帆は実業団ソフトボールのマウンドに立っていた。
背番号は、エースナンバーの「1」。
日本代表候補に手が届きかけていた彼女の夢は、ある日の故障と、チームメイトの沈黙によって奪われた。
それから七年。
ソフトボールから離れ、海沿いの町のスポーツ用品店で働いていた里帆は、かつて自分の背番号をつけた元チームメイト・神崎美羽の講演会ポスターを目にする。
「諦めなかった人だけが、夢の続きを見られる」
その言葉に、里帆の止まっていた時間が再び軋み出す。
そんな彼女をグラウンドへ引き戻したのは、口は悪いが人の痛みに気づく元プロ野球選手・黒瀬蒼真。
そして、マウンドで謝ることしかできなかった一年生投手・朝倉芽衣だった。
逃げ癖のある少女投手。
夢を語る元チームメイト。
過去を捨てきれない元エース。
奪われたマウンドに、もう一度立つことはできなくても。
誰かが逃げずに立てる場所を、今度は自分が作っていく。
傷ついた元エースが、高校女子ソフトボール部と出会い、過去を乗り越えてもう一度夢の続きを見つける、再生の青春スポーツストーリー。