あらすじ

2035年、世界はSDGsを五年遅れで達成し、人種、宗教、性別、性自認、性的志向などに関わらず、誰もが平等と尊厳を手にしていた。科学技術も大いに発達し、Mott=Hubbard量子挙動を使用した高効率な太陽光パネルや、人間の脳のように、一個一個のニューロンだけでなく、それらが集まったニューロンのグループ同士が協調して課題を解決するAIなど、高度な科学技術が誕生した。もちろん、ニワトリの受精卵の胚の遺伝子を編集し、恐竜の特徴を復元する技術もその一つだ。しかし、これらの流れが急速すぎると感じる庶民が多かった…。非常に精緻かつ巧妙に、彼らの支持をとりつけ、反科学、反多様性を掲げる極右政党「幸福実現党」が国会で第一党に。彼らは国家非常事態宣言を発令し、国会を凍結。祭政一致の体制を構築し、国家中のデジタル機器をすべて没収、破壊。更に再生可能エネルギーを使用した発電所を国家権限で全て停止。しかも「再生可能エネルギーの穢れを祓う」などという謎理論で、何の意味も、目的すらなく、大量の石炭を屋外で燃やすようになったのだ。さらにさらに、移民は合法不法を問わず「特別狩猟鳥獣」に指定。LGBTQも「特別狩猟鳥獣」に指定された。これに危機を感じ、ある施設が立ち上がる。この施設はジャック=ホーナー氏とハーバード大学の共同研究「チキノサウルス プロジェクト」への協力施設だった。ジャック=ホーナー氏らがニワトリの受精卵の胚に対する遺伝子操作を行うことで、より祖先的な形質が復元された(つまり恐竜の特徴が復元された)二系統の個体群(近鳥類Paraves系統種と、ずっと基盤的な鳥獣脚類Avetheropoda系統種)を保護、研究、また一般向け展示を行う施設のひとつである。科学が否定されたことで、自分たちの存在意義が否定されている現状に耐えられず、彼らは立ち上がる。

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カクヨム
カクヨム2026/05/19
  • 現在の作品チキノサウルス・レジスタンス