あらすじ

「勇者の故郷を、見たい」――たったそれだけの願いのために、大魔導士ツェルカスカは三百年を費やした。 三百年前、異世界を救った勇者コバヤシ・ユウスケは、故郷――日本へ帰れないまま死んだ。彼の最期を看取った大魔導士ツェルカスカは、勇者の遺した「いつか、お前にも俺の故郷を見せたかった」という言葉だけを胸に、三百年かけて魂転移魔術を完成させ、現代日本へ辿り着く。 しかし、目覚めた体は自分のものではなく、大学生モデルで重度オタクの川口佐江のものだった。 スマホ、自動ドア、コンビニ、電車、SNS、同人文化。 ツェルカスカにとって、勇者が恋しがった日本は、魔術よりも不可解な驚きに満ちた異世界だった。 そんな中、彼女はひとりの小学生と出会う。 ランドセルを背負い、靴紐をほどけさせたまま笑う少年。 その名は、小林祐介。 彼はまだ勇者ではない。 宿題を嫌がり、友達とカードゲームに夢中になり、母の味噌汁を当たり前のように飲んでいる、どこにでもいる普通の子供だった。 しかし、現代日本の龍脈を狙う魔神王の残党が、動き出す。 ツェルカスカは、佐江と共に、まだ何者でもない少年を守るため、戦うことになる。 これは、亡き勇者の故郷を見に来た大魔導士が、現代日本の日常に触れ、笑い、戸惑い、傷つきながら、まだ何者でもない少年の名前を守ろうとする物語。 帰れなかった勇者にも、帰りたい故郷はあった。 その故郷で、彼女はもう一度、勇者と出会う。

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カクヨム
カクヨム2026/05/19
  • 現在の作品【イマユウ】今亡き勇者の故郷へいざ、まゐる。 —大魔導士と、まだ勇者ではない少年—