あらすじ
東京、神宝町。
古い商業ビルの最上階、十階に、ひとりの男が住んでいる。
糸目で、ふらふらして、いつも「めんどくせぇ」と呟いている、
だけど、人の話を、誰よりも、ちゃんと聞く人。
彼の仕事は、相談屋――いや、「気づかせ屋」。
自分では動かない。動くのは、いつも、その人本人。
ただ、本人が、自分でも知らない自分の価値に、
そっと、気づくよう、陰から空気を送る。
これは、壊れたまま生きることを選んだ人たちと、
燃え尽きてもなお、誰かに風を送り続ける男の、
小さくて、長い、十二年の物語。
――重松清が好きな人。小川糸が好きな人。
人情ドラマを、もう一度、読みたい人へ。