あらすじ
人は誰しも、誰かを見つめながら生きている。
交わりそうで交わらない想いは、やがて周囲の人々を巻き込みながら、少しずつ形を変えていく。
好意、執着、崇拝、依存――。
他人へ向けた感情が絡み合う時、それぞれの人生が静かに動き始める。
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【第一章:菰田音花】
高校生活を送る菰田音花は、同じクラスの男子に強い想いを寄せていた。
その声を聞くだけで、彼女の世界は明るくなった。
けれど、彼の隣には、誰もが振り返る綺麗な女子生徒がいた。
届かない感情を抱えながら、彼女は今日も【好き】を積み重ねていく。
【第二章:巻田慎之介】
進路希望調査を前に、巻田慎之介は答えを出せずにいた。
やりたいことはある。進みたい道もある。
それでも、どうしても離れたくない【存在】がいる。
誰にも言えない迷いを抱えたまま、彼は恋人へある問いを投げかける。
【第三章:糸追美鶴】
誰もが振り向く糸追美鶴が欲しかったのは、たった一人の視線だけ。
幼い頃の短い出会いを忘れられないまま、高校で意中の人と再会する。
諦めきれない想いは、【執着】という名に変わろうとしていた。
【第四章:菰田頼人】
「危険じゃない夜の店があってもいい」――そんな理念を掲げるホストクラブ『夜の栞』。
騒がしさや過激さとは無縁の空間で、大学生の菰田頼人は、訪れる人々の悩みや孤独に耳を傾けていた。
しかし、誰かの居場所になろうとした彼は、思わぬ自身の【本音】と向き合うことになる。
甘い言葉と優しい距離感の裏側とは――
【第五章:己野景子】
友人に誘われて『夜の栞』という不思議な店を訪れた景子。
そこは喫茶店やホテルを思わせる、大人の避難所だった。
否定せず、静かに寄り添ってくれる【帯刀】に、彼女は少しずつ惹かれていく。
しかし、その居心地の良さは、感情と金銭感覚を静かに変え始めていた。
【第六章:己野景子】
可愛くなりたい。綺麗になりたい。
劣等感を抱える己野倫子は、今日もメイクで【理想の自分】を作り上げていた。
ある夜、妹に誘われ訪れた『夜の栞』で、美しい青年と出会う。彼との会話が、倫子の価値観を大きく揺るがしていく――
【第七章:安生時幸】
卒業、進学、就職。
春を前に、生徒たちはそれぞれの答えを手にしていく。
教員・安生時幸は、彼らの人生の通過点に立ちながら、【無数の記録】を積み重ねていく。