あらすじ
感染体は知性を持っていた。それを知りながら、組織は撃ち続けた。
再編3年。特殊掃討部隊カドミウムの班長・志乃は、廃病院の三階で感染体の指導者と向き合い、問われる。「あなたが守ろうとしている人間は、何のために存在しているんだ」
彼女は撃った。問いは残った。
再編8年。中央文書館の整理者が、当時の文書群を再編成する。報告書、通信記録、却下された上申書、私的手記。それぞれが部分的な真実しか持たないそれらを並べたとき、当時を生きた誰も知らなかった輪郭が、静かに浮かびあがる。
誰も勝たなかった戦争の記録。消えていった人々の声。そして、止まらなかった変化の名前。