あらすじ
王国騎士団・副騎士団長アイザック・ロウは、第二王女ソフィア殿下の十年に及ぶわがままにとうとう限界を迎え、辞表を出した。
「広い世界を見て己を鍛え直したく存じます」
もっともらしい辞表の翌日。冒険者ギルドに、深くフードをかぶった少女が現れた。
「わたしを、あなたのパーティーに入れなさい」
声に聞き覚えがあった。顎を上げる癖にも、隠しきれていない銀髪にも、王宮御用達の香油の匂いにも、たっぷり覚えがあった。
だが、まさか第二王女殿下が冒険者ギルドにいるはずがない。いたら国が揺れる。つまり人違いである。
黒パンを武器扱いし、銅貨二枚の干しリンゴに銀貨を出し、ぎこちなく礼を言う練習をする「新人冒険者ソフィ」。
鈍感(を装うのが上手い)元騎士と、不器用すぎる王女の、すれ違い十年を清算する旅。