あらすじ

「ああ、勇者よ死んでしまうとは情けない。そのまま朽ち果てなさい」 エルシオン聖王国の筆頭神官ルシアンは、死者の魂を肉体に繋ぎ止める禁忌の術式を独学で完成させた男だ。 しかし、神聖さを騙る王国は根底から腐りきっていた。王政、宗教、軍事の三権が互いの首を絞め合い、無能な『複数の勇者』たちを前線へ使い捨てては、ルシアンの奇跡にタダ乗りして慢心を繰り返す。 そんな世界に、ルシアンは静かに告げる。 ――貴方たちに支払う、私の代償はありません、と。 他者の足を引っ張るだけの勇者を冷酷に見捨て、損切りしたルシアン。彼は偽りの神を捨て、腐敗した王国と教会を解体する「国取り」の行進を開始する。 彼がその手足として玉座の吹き溜まりから拾い上げたのは、世界に捨てられた泥まみれの若者たちだった。 影の徴募官たるスリの孤児【ザック】。 ルシアンの絶対の盾となることを誓った元奴隷【カイン】。 綺麗事に逃げ、ルシアンの洗礼によって冷徹な為政者へと変貌していく没落王子【エリアス】。 「知恵を絞りなさい。誰も見捨てず、かつ誰も死なせないための『理』を計算するのです」 常に優雅で丁寧な口調のまま、血も涙もない圧倒的な合理主義で旧世界の常識を蹂躙していくルシアン。 聖女クラーラが道徳を盾に噛みつくたび、彼の冷酷なロジックがその欺瞞を暴いていく。 偽りの奇跡で国を乗っ取った冷徹神官が、次世代の若者たちに新たな世界を創り上げるまでの政治戦記。 ――だが、完璧な合理主義者であるはずの男は、何故これほどまでに生き急ぐのか。

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カクヨム
カクヨム2026/05/18
  • 現在の作品「ああ、勇者よ死んでしまうとは情けない。そのまま朽ち果てなさい」 〜命を削る冷徹神官は、無能な勇者を見捨てて泥まみれの孤児たちに覇道を託す〜