あらすじ
「私は、偽物ではありません」
義妹の策略により手柄をすべて奪われ、無能な偽聖女として祖国を追放されたリアナ。
凍てつく死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、瀕死の重傷を負った一匹のもふもふな神獣でした。
無意識に規格外の治癒魔法を放ち、神獣を救ったリアナは、隣国グラシエール帝国の若き王・アルヴィドに保護されます。
氷のように冷たく威厳のあるアルヴィドですが、内面は不器用なほど優しく、傷ついたリアナを心から大切に扱ってくれます。
「お前の力が、我が国には必要だ。だが、私はお前を道具として扱うつもりはない」
誰にも認められなかったリアナの真の力は、凍りついていた隣国の大地に次々と奇跡の花を咲かせていきます。
一方、真の聖女を失った祖国は、大地の結界が崩壊し、滅亡の危機に瀕していました。
身勝手な元婚約者の王子が慌ててリアナを連れ戻しにやって来ますが、時すでに遅し。
彼女の隣には、彼女を絶対に手放さない最強の氷の王と、真の姿を現した白銀の神獣が立ち塞がります。
すべてを失った少女が、真実の愛と温かな居場所を手に入れ、永遠の幸せを掴むまでの奇跡の物語。
【登場人物紹介】
◇リアナ
本作の主人公。前世の記憶を思い出した真の聖女。祖国では義妹の策略により能力を隠蔽され、無能な偽物として虐げられていた。追放された先の暗い森で隣国の王に拾われ、本来持っていた規格外の魔力を開花させる。控えめで心優しいが、理不尽には屈しない芯の強さを持つ。植物や大地の声なき声を感じ取り、癒やす力がある。
◇アルヴィド
隣国の若き王。氷のように冷たく整った美貌と、他者を寄せ付けない威厳を持つが、内面は非常に誠実で不器用なほどに優しい。過去の厄災によって荒廃していく自国を救う方法を模索する中でリアナと出会い、彼女の深い心の傷を包み込むように、惜しみない愛情を注ぐようになる。
◇ルティ
リアナが追放された森の奥で助けた、もふもふの神獣。普段は真っ白でふわふわとした愛らしい仔犬のような姿をしており、リアナにべったりと甘えて離れない。しかしその正体は、強大な魔力を秘め、周囲の気温すら支配する白銀の巨狼である。
◇ミレイユ
リアナの義妹。祖国でちやほやされる偽聖女。リアナが密かに施していた治癒や結界の力を自らの手柄として奪い取り、周囲をだまして聖女の地位に座る。虚栄心が非常に強く、常にリアナを見下して優越感に浸っている。
◇レオン
リアナの祖国の第一王子。ミレイユの涙ながらの嘘を鵜呑みにし、真の聖女であるリアナに婚約破棄と追放を突きつける。のちに自国の大地が枯れ、結界が崩壊していく光景を目の当たりにし、取り返しのつかない絶望と後悔を抱くことになる。