あらすじ
乙女ゲームの悪役令嬢――
それが、かつての私だった。
……もっとも、本当に悪役だったわけじゃない。
権力欲に取り憑かれた父のせいで社交界から嫌われ、破滅する運命だった公爵令嬢アリアは、ある日を境に別人のように変わった。
それは、一人の“転生者”がアリアの身体に入ったから。
破滅回避のため奔走した彼女のおかげで、悪役令嬢ルートは崩壊。断罪イベントも消え去った。
その代わり――本来のアリアの魂である私は、“物語の外側”へ押し出された。
気づけば私は、辺境の小さな村で暮らす村娘になっていた。
けれど不思議と後悔はなかった。
貴族社会から離れたことで、私は初めて自由になれたのだから。
そして何より、私は知ってしまった。
私の代わりに悪役令嬢を演じ、未来を変えた転生者の少女が、今もなお“主人公”という役割に苦しめられていることを。
だから決めた。
今度は私が、あの子を救う。
村で暮らしながら規格外の魔法才能を開花させた元悪役令嬢が、世界のシナリオに抗い、“主人公”を救うため立ち上がる。
これは、悪役令嬢から降ろされた少女の、自由と救済の物語。