あらすじ
王立学園で雑用教師をしている俺には、肩書きだけはやたらある。
禁術管理局を追放された元監査官。
王国唯一の精霊式鑑定士。
侯爵家の分家から縁を切られた元貴族。
多い。自分でも面倒くさい。
で、そんな肩書きが今なんの役に立っているかというと、窓修理と備品整理と実習監督である。おかしいだろ。
ある日、王子が見守る聖女候補の浄化実習を押しつけられた。
使用停止の魔導具を使うと言い出したので止めたら、王子には無能の雑用教師扱いされ、聖女候補にはひどい先生扱いされた。
まあ、慣れている。
ただ、魔導具の中に禁術反応が出ていた。
これは慣れたくない。
昔の仕事の癖で止めたら、悪役令嬢扱いされている公爵令嬢だけが、俺の封緘を見て変な顔をした。
「先生、あなた本当にただの雑用教師ですの?」
違う。
と言うと長いので、今はそういうことにしている。
王子は懲りない。聖女候補も引かない。学園の備品からは、なぜか禁術反応が出る。
俺はただ昼休みまでに窓を直したいだけなのに、雑用がだんだん監査案件になっていく。