あらすじ
「全身を常に強化し続けるなど、誰もいない部屋でエアコンを全開にしているような白痴の所業だ」
前世で世界のトップに君臨しながらも、あまりに退屈な未来に絶望して自死を選んだ元・財閥総帥。
彼が次に目覚めたのは、魔法が存在する異世界の第三皇子、ヴィクトールとしてだった。
彼がこの世界で目をつけたのは『真空』の術式。
運動力学に基づき、インパクトの0.01秒だけ筋組織をブーストする、圧倒的効率の【部位強化】
頭上の大気を一瞬で排除し、超音速の空気ハンマーで敵を粉砕する絶対不可避の【爆縮】
「ひれ伏すというのが、どういう事かを教えてやろう。真空とは、そういうものだからだ」
筋肉バカの次兄を肉弾戦で完封し、有能な皇太子の長男すら「私はお前が怖い」と本能的に恐怖させる怪物の片鱗。
己のすべてを捧げた狂信的なメイド、アルファを帝都の耳目として残し、ヴィクトールはかつてその魔術で魅了した強かな公爵令嬢リズベットの待つ『第一学院』の学園寮へと向かう。
次期皇帝の椅子など興味はない。
目指すは、この大陸すべての完全なる支配。
元財閥総帥の圧倒的な知性と冷徹な物理が、無知なる異世界を合理的にひれ伏せる、異世界蹂躙ファンタジー。