あらすじ
極東の国・大和。
黄泉比良坂を根源とするダンジョン災害が広がるこの国では、妖魔と戦う力ある華族こそが支配階級だった。
華族令嬢・素戔嗚神奈は、卒業記念パーティーの夜、何者かに操られた。
記憶を歪められたまま婚約者へ刃を向け、多くの死傷者を出した末、自らを焼いて死ぬ。
兄も、未来も、誇りも、すべてを奪われた最悪の破滅だった。
だが死後、神奈が堕ちた先は地獄――【修羅道無限回廊】。
そこは、死ねば力も武器もスキルもすべて失い、一階からやり直しとなる終わりなき修羅の牢獄。
数え切れない死と戦いを積み重ね、地獄にすら適応した神奈は、相棒にしてスキル【太公望】と共に禁術を発動。
すべてが壊れる前、十二歳の自分へと回帰する。
兄がまだ生きていた頃。
婚約者を襲う惨劇が起こる前。
黒幕を暴き、破滅の運命を覆せるはずの時間へ。
――だが、修羅道で積み上げた膨大な力は、幼い肉体には強すぎた。
わずかに霊力を使うだけで身体は自壊し、下手をすればその場で死ぬ。
最強の経験と記憶を持ちながら、今の神奈は満足に力すら振るえない。
それでも、もう二度と奪わせない。
兄の死を防ぐために。
自分を破滅へ追いやった黒幕を暴くために。
そして、あの夜に失ったすべてを取り戻すために。
これは、地獄を越えた華族令嬢が、修羅道の記憶と戦いの果てに得た力を武器に、二度目の人生で破滅の運命へ叛逆する回帰譚。