あらすじ
気がついたら、二つの月が浮かぶ知らない世界に迷い込んでいた、佐倉凪。
しかも目を覚ました先で出会ったのは、首が外れる紳士に、血の入ったパウチを常飲する人々――ここは、人ならざる者たちが暮らす「魔界」だった。
事情を知る謎のデュラハン・ジャンルカ曰く、凪は本来この世界にいないはずの「異世界人」。その血は、魔族を酔わせるほどの魅惑を秘めていて、正体がバレれば命はない。
身を守るため、凪の身分は「血の吸えない可哀想な吸血鬼」ということに。そして、なりゆきで一緒に暮らすことになったのは、凪を噛んでしまった張本人――冷酷無比、社内で「仕事大好き魔神」と恐れられるエリート、アトラス・J・ヘミングウェイ。
ところがこの魔神、職場では氷点下なのに、凪にだけはとことん不器用で、過保護で、なぜか顔を真っ赤にしてばかり。
血液パウチしかない朝食に、ネクタイを結んであげる距離の近さ、はじめての吸血。魔界のフードトラックで働きながら、凪の日常は、少しずつ温かくなっていく。
――でも。その平穏のすぐ裏側で、「異世界人」を狙う、見えない影が、静かに動き出していた。
ほのぼの×お仕事コメディ×甘い溺愛、そして世界の闇。
魔界企業ファンタジー、開店です。