あらすじ
『地味で能無し』と冷酷夫に離縁されたお針子の私、実は伝説の色彩職人でした 〜隣国の若き至高の公爵に『君の紡ぐ色が欲しかった』と激しく執着されています。今更戻れと言われても絶対に無理です!
代々続く伯爵家に嫁いだオディリアは、夫のベルトラムから「地味で無能な木偶の坊」と罵られ、愛人シビラを邸に連れ込まれた挙句、身一つで離縁されてしまう。
しかし、オディリアには誰にも言っていない秘密があった。彼女は、人の心を奪う美しい糸を紡ぎ出す、伝説の「色彩職人」だったのだ。
行く当てを失ったオディリアは、下町の小さな刺繍工房に身を寄せ、己の腕一つで生きていくことを決意する。彼女の挫けない心と、類稀なる技術が生み出す刺繍は、瞬く間に市井から貴族へと噂が広がっていく。
そんなある日、彼女の前に現れたのは、隣国の冷徹と恐れられる若き公爵ヴァルデマールだった。彼はオディリアの技術だけでなく、その凛とした強さに深く魅了され、彼女を自身の領地へと迎え入れる。
一方、オディリアを失ったベルトラムの邸は、彼女の「色彩」を失ったことで急速に社交界での輝きを失い、破滅へと向かっていく。焦ったベルトラムはオディリアを連れ戻そうとするが、彼女の隣には既に、決して彼女を離そうとしない最強の公爵が控えていた。