あらすじ
天才探偵・氷室の影で、今日も元刑事の私、大場は空回りする推理を披露していた。そんなある日、閉ざされた雪山の洋館で惨劇が幕を開ける。宿泊客の一人が毒殺されたのだ。氷室は冷徹に真相へ近づいていくが、私はただ一人、事件の鍵となる「ある矛盾」に最初から気づいていた。しかし、私はそれを意図的に無視し、読者であるあなたからも隠蔽し続けたのだ。なぜ、探偵の相棒であるはずの私が真実を濁すのか。氷室さえも手玉に取る、語り手による極上の知的遊戯。すべての真相が明かされたとき、あなたはもう一度、最初からこの物語を読み返すことになる。