あらすじ
祖父の遺品から見つかった、一枚の古い写真。
裏には、こう書かれていた。
「鞆の浦にて、千代子と 昭和十八年秋」
韓国で生まれ育った青年キム・ハルは、写真に写る若き日の祖父と、見知らぬ日本人女性・千代子の名を追って、瀬戸内の港町・鞆の浦を訪れる。
そこで出会ったのは、千代子の孫娘、美咲だった。
鞆の浦に残された千代子の手帳。
韓国に残されていた祖父・佐伯春雄の手帳。
そして、金春雄というもうひとつの名前。
戦中から戦後へ、国境と国籍が大きく揺れた時代の中で、約束はなぜ果たされなかったのか。
潮待ちの港・鞆の浦を舞台に、海を渡った一枚の写真と、二つの名前をたどる物語。
※本作は毎日更新予定です。完結までお付き合いいただければ幸いです。