あらすじ
――かつて世界は地球と繋がってはいなかった。
地球と繋がる前の世界では、人類のヒエラルキーは最下層に位置付けられていた。
地球人の総人口は三百憶を超え、鉄の船で空を飛び、月にすらも到達したらしい。
地球人の軍事力は絶大で、新たな支配地を手に入れようと新世界と地球を繋げた事を、魔神は心底後悔したらしい。
地球人の多くは善良で、新世界の人類の扱いを知ると救いの手を差し伸べたらしい。
地球人の一部は凶悪で、新世界の全てを手に入れようと異種族の領土を次々に支配したらしい。
――らしい、らしい。
――らしい、らしい。
そんな誰もが信じられない昔話。
科学の力とやらで、月どころか数多の星々にすら届き兼ねなかった地球人。
ニュークリア何とかにより、人類に仇なす者を震え上がらせ、世界の上位存在さえもが恐れた地球人。
数多の上位存在との壮絶な相討ちの果てに、ついには文明を滅ぼされた地球人。
上位存在が地球人に駆逐されてから五百年。
それは、暴れに暴れた地球人が姿を消し、人類のヒエラルキーが再び最下層に位置付けられるには十分な時間。
今ではごく一部の長命種を除き、悪名高き地球人の事を正確に知る者など存在せず。
血や肌の色や文化の違いで取るに足らない争いを続ける新世界で、上位存在さえもが恐れた種族の末裔がとある学園に訪れた。