あらすじ

仕事を辞めて半年。 雨の日だけ外へ出ることが、主人公・雨宮璃菜の習慣だった。 晴れの日は家で過ごし、雨の日だけ傘を差してあてもなく歩く。 ある六月の朝、いつもの散歩道の途中で見知らぬ路地を見つける。 雨に濡れた石畳。 見たことのない街並み。 聞いたことのない駅名。 そこは、雨の日にしか現れない不思議な街だった。 璃菜は雨の日ごとにその街を訪れるようになる。 街の人々とのささやかな交流を重ねるうちに、璃菜は少しずつ変わっていく。 働いていない自分への後ろめたさ。 将来への不安。 止まったままの時間。 雨の街を歩くたび、それらを抱えたままでも生きていていいのかもしれないと思えるようになる。 しかしある頃から、街の人々は「最近、雨が減った」と話し始める。 雨の日にしか現れない街は、雨が降らなければ辿り着けない。 やがて季節は移り変わり、長い晴れの日々が訪れる。 璃菜は最後になるかもしれない雨の日の散歩に出る。 これは、雨の日だけ現れる不思議な街と、璃菜が少しずつ前を向くまでの物語。

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小説を読もう2026/06/09
  • 現在の作品雨の匂いがする