あらすじ
かつて警察官だった古賀壮真は、ある凄惨な事件をきっかけに心に深い傷を負い、たった一人の家族である妹・栞とも疎遠になっていた。
長距離トラックの運転手として過去から逃げるような日々を送っていた壮真はある夜、交通事故に遭い昏睡状態に陥ってしまう。
どれほどの時間が経ったのか。目を覚ました場所は不気味なほど静まり返った都市部の巨大病院だった。
しかし、そこはすでに彼の知る日常ではなかった。
血と腐肉の匂いが充満する薄暗い廊下を徘徊するのは生きた人間を喰らう「シビト(屍人)」たち。
壮真が眠っていた間に世界は謎のパンデミックによって完全に崩壊していたのだ。
通信網は途絶え、法も秩序も消え失せた絶望の世界。
「噛まれれば終わり」という残酷なルールを知った壮真は一つの決意を胸に病院を脱出する。
郊外の大学に取り残されているであろう妹・栞を今度こそ必ず守り抜くことを。
シビトの群れと極限状態で狂気を孕んだ生存者たちがひしめく福岡の街。
過去のトラウマに苦しみ、銃を撃つことすらできなくなった元警察官は妹に謝罪し、その命を救うため地獄と化した街を駆け抜ける。
※カクヨム・ハーメルンでも投稿をしています。