あらすじ
西暦2000年、世界各地に突如出現した地下迷宮【ダンジョン】。
そこから採掘される資源によって人類はエネルギー問題を克服し、世界は空前の繁栄を迎えていた。
18歳になると、希望者はダンジョンを探索する【冒険者】となることが出来る。
そして冒険者は、1人1つ【属性】と呼ばれる特別な力を授かる。
火属性なら英雄。水属性ならエリート。精神属性や地属性も将来を約束された勝ち組。
冒険者社会は、【7種類の属性】によって厳格に区分された【ヒエラルキー】が存在していた。
そんな時代に現れたのが、数学・物理・化学オリンピックで日本人高校生初の三冠を達成した天才少女【風見凛(かざみりん)】である。
未知の地下迷宮に魅せられた彼女は、世界の名門大学からの誘いを断り、冒険者の道を選ぶ。
しかし全国生中継された【属性付与式】で、彼女が授かった属性は、ヒエラルキーの最下位、【唯一のハズレ】と呼ばれる【風属性】であった。
起こせるのは、せいぜい【そよ風】程度。
戦えない。パーティーにも入れない。魔物を倒せないからレベルも上がらない。
誰もが、彼女の冒険者人生は終わったと感じた。
ただ一人をのぞいて――。
「風属性がハズレ……?本当に?」
科学者の視点で能力を分析した彼女は、誰も気付いていない一つの真実へ辿り着く。
「風属性は……風を操る能力ではない」
常識を疑い、理論で証明し、実験で世界を書き換えていく天才少女。
これは、【唯一のハズレ】と笑われた【風属性】で、ダンジョンの歴史を塗り替え、世界最強の冒険者へと駆け上がる少女の物語である。